中学受験は家族の「歴史」です。

本人の意思とは関係なく始めた中学受験。でも、それがいつの間にか家族全員の共通目標となる。だから、中学受験は、家族の歴史の貴重な1ページになるはずです。中学受験真っ只中の皆さんに、何か役に立つ情報を発信していきたいと思います。

偏差値表をよ~く眺めると

もうすぐ、夏休み。

毎年言われることですが、中学受験をする小6生は、「天王山」。

基礎力を完璧にする最後のチャンスです。

 

サピックスの小6生は、第2回志望校判定サピックスオープンが終わって、7月の組み分けテストも終わり、残り数回の授業の後、夏期講習へ突入します。

 

そして、偏差値表と我が子の偏差値を見比べる機会が今後増えてきます(笑)

 

 

さて、先月6月に発表された、その偏差値表を見てみましょう。

特に、2月1日以降の午後の偏差値帯に登場する学校の、「本当の」偏差値を調べましょう。

 

2月1日の午前に第1回目の試験があるはずです。

その第1回目の偏差値はいくつですか。

 

あれ、結構低いな、と感じられるかもしれません。

 

そう、同じ学校の第2回目以降の偏差値が跳ね上がるのは、中学受験特有の現象です。

 

これを知っておかないと、その学校に、実際、どういう学力水準のお子さんが集まってくるのか想定できないのです。

ポーンと偏差値が跳ね上がったところだけ見てしまうと、その偏差値帯のお子さんが集まる、とお考えになるかもしれません。

 

これ、結構、危険です。

 

よく調べてみてください。

2月1日午前の第1回目は、相当人数の募集人員ではないでしょうか。

 

そして、恐らく、2月1日午前は、皆さん、第1志望に近い学校を受験されると思います。

ですから、2月1日午前、つまり、第1回目の試験に合格したお子さんが結構な人数入学してくる、そんなことが想定できる訳です(かならずしも当てはまるものではありませんが)。

 

ですから、2月1日午後、つまり第2回目以降の試験で合格されたお子さんは、他の学校(恐らくその学校が第1志望)に残念ながら合格できなかった場合に入学される、そんなことが想定できます。

 

第2回目以降の試験に合格されて入学してきたお子さんは、少人数であっても学力が高いので、入学後、そのお子さんが他の生徒を引っ張ってくれる、そんな頼もしい姿も想像できますが、絶対ではありません。

 

入学して、しばらく経つと、あまり変わらない学力になってしまう・・・

そういう話はよく聞きます。

 

第2回目以降の試験の偏差値が第1回目試験の偏差値よりかなり高い場合には、入学後にどのような学校生活が待っているのか、あらかじめ考えておかないといけない、そう思います。

 

当然ですが、日々使う教科書、問題集も、偏差値が上の学校よりもレベルが違うし、授業内容も違う。

偏差値帯が高い生徒に合わせた教科書、問題集、授業内容、そういうカリキュラムになっていないはずです。

 

このあたりが、試験によって偏差値が大きく動く学校の難しいところです。

 

学校側からすると、試験日を複数回にすることで応募者も増えるし、試験料収入も増えるし、偏差値も上がるし、人気が出る、そういう結果になれば最高の展開なのでしょうが、学校選択をする親としては判断が難しくなります。

 

 

天王山の後、最終的に志望校を絞り込んでいく親としては、これからが志望校選択の本番です。

 

 

では、また。