中学受験は家族の「歴史」です。

本人の意思とは関係なく始めた中学受験。でも、それがいつの間にか家族全員の共通目標となる。だから、中学受験は、家族の歴史の貴重な1ページになるはずです。中学受験真っ只中の皆さんに、何か役に立つ情報を発信していきたいと思います。

本郷、豊島岡女子、渋幕

本郷と豊島岡女子が「完全中高一貫校」になります。

 

郷中学校は、2021年度から、これまで募集してきた男子84名の高校からの募集を停止し、完全中高一貫校になります。

「第1希望の生徒が多数入ってくる中学に対し、高校では都立難関高に流れる例が目立っていた。第1希望の生徒に来てもらいたいというのが一番の理由」とのこと。

 

そして、豊島岡女子学園中学校も、2022年度から、これまで募集してきた女子90名の高校からの募集を停止し、完全中高一貫校になります。

「高校から入学を考える人がかなり減ったため」とのこと。

 

 

私立だけではありません。

都立中高一貫校も全10校のうち、高校からの募集をしていた5校で順次高校入試をやめるそうです。

 

 

さらには、渋谷教育学園幕張中学校(渋幕)は、正式にはまだ決定していませんが、将来の完全中高一貫化を見据えて、2020年度から制服をリニューアルすることを発表しています。

渋幕も、近い将来、完全中高一貫化されることになります。

 

 

23区の私立男子校で、今後も高校からの募集を継続する学校(偏差値50以上)は、開成、早大学院巣鴨、城北、明大中野立教池袋学習院芝浦工大附があります。

一方で、偏差値50以上で高校からの募集を行っている私立女子校は、なんと、豊島岡女子しかありません。

 

 

2010年以降の関東の主な私立中高の高校募集停止を調べてみると以下のとおりになります。

 

  2011年 海城、洗足学園

  2012年 攻玉社

  2014年 高輪

  2017年 東邦大東邦

  2019年 成城

 

 

今や都内の私立校では、「完全中高一貫化」の流れが強まっていて、高校入試を実施する中高一貫校(いわゆる難関進学校)が激減しています。

女子校は特にその傾向が強いです。

 

また、男女共学化の流れも同時に加速しており、女子校そのものが減る傾向にあります。

 

 

以前は、高校から外部からの生徒を受け入れることによって、生徒に一定の緊張感を持たせて中高一貫校特有の「中だるみ」を防ぐことを目的としている学校も多数ありました。

 

また、中高一貫校の高校入学組の中には、中学受験の失敗の巻き返しを目指した生徒も少なくなかったのです。

 

 

しかし、豊島岡女子で言えば、高校入学組の進学実績が内部進学組に比べて著しく低いことも高校募集停止の要因となっているようです。

確かに、高校からの90名と中学からの昇格組が一緒のクラスで授業を受けるタイミングがすごく遅い。

 

 

ただ、完全中高一貫化する学校の中学入試での募集人員が増えれば、これまでよりも、多少なりとも中学受験生の受験する幅や可能性が広がるのでしょうね。

 

一方で、高校受験でトップ校を狙う時には、都立高か国立大学附属高か難関私大附属高しか、実質的になくなってしまっています。

公立中に進んで、高校は難関校に進みたいと思っても、難関私立高の選択肢がほぼ無いのです。

 

 

この事実は、よく考えておかないといけない。

今後、我が子に中学受験させたいと想う親が増えるのは確実です。

 

 

開成学園も高校から約100名を受け入れていますが、そろそろ、柳沢校長先生の勇退も噂されていて(なので、柳沢先生は講演等を頻繁に受けている!?)、高校入試の実質倍率が年々下がっているし、次の校長先生の時代には、高校募集停止の可能性もゼロではないかもしれません。

 

 

では、また。