教科書と授業
最近、中学生の歴史教科書が騒がれていますね。
『ともに学ぶ人間の歴史』(学び舎)という歴史教科書です。
学び舎によると、国立私立の計38校が採択しているそうです。
いわゆる難関中学校といわれる灘、筑駒、麻布などでも採択されているこの教科書は、唯一「従軍慰安婦」を採り上げています。
そのため、「反日極左的教育」につながりかねないということで、この教科書の採択を断念するように、圧力があったという騒動です。
灘の和田校長宛に国会議員からの問い合わせ、大量の抗議葉書が届くなど、ありえない抗議行動です。
多様性を否定するような現場への圧力は許されるものではありません。
ましてや、国会議員を使ったり、匿名を使うなんて。
そもそも、今の教科書は、暗記させる従来の教科書とは違い、生徒に「どういうこと?」「どうして?」と考えさせることを目的に編集されています。
また、実は、学校がこの教科書を採択しても、授業でちゃんと使っているとは限りません。
こういう教科書が危ないというのであれば、本当に危ないのは、このような教科書に沿った授業をしている学校ではないでしょうか。
いわゆる難関校といわれる学校は、先生独自のプリントで授業を進めていたりします。
教育に政治が介入することなど絶対にあってはならないと思いますが、実際には、教育委員の選定などに権力が介入する余地は昔から存在するのです。
最近の「政治主導」と呼ばれる言葉には、今回の歴史教科書のような種々の危険を抱えていることも意識しておかなければなりません。
歴史教科書は過去に何度も問題提起がされました
我が子が使う(であろう)教科書について今問題が起こっていることにも、親として、きちんと問題意識を持っていたいものです。
『教科書に書いてあることがすべてではないんだよ。』
では、また。