中学受験は家族の「歴史」です。

本人の意思とは関係なく始めた中学受験。でも、それがいつの間にか家族全員の共通目標となる。だから、中学受験は、家族の歴史の貴重な1ページになるはずです。中学受験真っ只中の皆さんに、何か役に立つ情報を発信していきたいと思います。

二月の勝者

二月の勝者とは、漫画のことです。

 

2月の入試が終わった直後に合わせて第1巻が発売されたのですが、まぁ、面白い漫画ですね。
巻末の参考文献見ると、だいたい読んだことがある本ばかりなので、ストーリーの内容は、ほぼほぼ事実です。


でも、中学受験における「勝者」は、運よく「勝者」になっただけ。
それは、入学後、いや、6年後に「勝者」が「敗者」に、「敗者」だった元6年生が「勝者」になるかもしれない。

それを、忘れちゃいけません。

事実、入学して1年も経たないうちに、繰り上げ合格者とそれ以外の合格者は区別がつかない、いや、繰り上げ合格の奴の方が成績上位にいる、という息子の話を聞きます。

 


さて、6年生は進学先が決まり、卒業まで1ヶ月を切りました。


中学入学までに何をやるか。


まずは、運動です。
運動不足であったお子さん(特にタワーマンション住まいのお子さんは要注意)は、運動しておかないとメリハリのついた生活が送れませんよ。

 

次に、数学。
塾によっては、塾卒業時に、入学に向けた問題集みたいなものをくれます。
SAPIXでは、「中学へのデイリーエクササイズ」というものが配布されるので、それをやっておくだけでも十分かと思います。
鉄緑会に入ったお子さんは、春期講習はじめ先取り学習が始まりますね。

 

さて、英語。
何をすればいいのか難しいところですが、最低限、アルファベットを正確に書くことができるようにしておきたいです。

 

最後に、ゲーム。
制限していたでしょうから、入学まではある程度やらせてあげてください。
ただし、自分で時間を決めさせて、厳守させること。
これができないと、スマホを手にしたらスマホ中毒になってしまいます。


一方、新たに6年生となる子は、塾で上位クラスをキープ&目指すこと。
そして、行きたい学校を早めに決めて、モチベーションを上げること。


かなり脱線しますが、塾別の合格者数は、このサイトが面白いです。
合格者数をクリックすると、過去の合格者数の推移も見れます。
 http://www.system-ido.com/risouken/index.php?page=juku

四谷大塚の合格者数が早稲アカと似ていないか?という疑問が湧くかもしれませんが、この重複カウント問題は、いい加減、どうにかして欲しいですね。
個人的には、日能研の落ちぶりが気になります。


中学受験が終わった2月3月というのは、6年生は、何をすればいいのか試行錯誤、新6年生などの新年度生は新学年授業がスタートして少々戸惑い気味。

 

ですから、親が、上手くリードしてあげたいですね。


では、また。

今年の中学受験

今日は2月4日。

 

今年の中学受験生も、ほぼ進学先が決まった頃でしょうか。

 

中学受験は、3人に1人とか4人に1人しか第一志望校に合格しない、などと言われるようですが、確かに、高校受験より中学受験の方が厳しいと思います。

 

1月受験の合格校で決めた子もいれば、2月2日、3日の合格校で長い受験生活を終えた子もいるでしょう。

 


でも、まだ終わっていない子もいるんです。

 

2月4日の今日も、それらしき親子を見かけました。

 

辛いですよね。
心の中で、「あきらめずに全力を尽くして!」としか呟いてあげるしかありません。

 


中学受験の目的の一つは、「やり抜く」ことでもあると思うんです。

 

晴れて第一志望校に合格した子も、満足のいく結果が出なかった子も、6年後はリセットされて同じスタートラインに立ちます。

 

「やり抜いた」けど、結果が出なかった子は、これからの6年間、必死で頑張ると思います。

 

第一志望校に合格した子は、うかうかしていると、6年後、「逆転」されますよ。

 

受験生活が終わったら、そのことを親子共々話し合わないといけません。

 


さて、今年の出題はどんな風だったのでしょうか。

 

開成中の出題でいうと、国語が、大学入試改革を踏まえているな、という出題になり、変化しました。

 

詳しくは述べませんが、各塾で今後分析説明があろうかと思います。

 

難関校も、試験科目に英語を導入することを検討はしています。

 

しかし、大学入試改革よりも前に、その改革内容をすでに行っている難関校が多いので、試験科目に英語を導入するよりも前に、今年は本質的な部分で変化させてきた感じがします。

 

来年は、他校でも同じ出題傾向になる可能性があります。

 


余談ですが、2月4日現在、SAPIXの開成中合格者数は234名です。

 

2月11日の「招集日」以降に繰り上げ合格があります。
毎年SAPIXでも30名前後合格者が増えるため、合格者数の最高は2014年の261名でしたが、それを更新するかもしれません。

 

SAPIXはもう終わった、今や〇ノーブルだとか、早稲アカの〇PICAだ、とかいう評判もありますが、他の学校の合格者数速報を見ても、今年もやはり、SAPIXの一人勝ちのような気がします。

 

子どもの数は年々減っていても、SAPIXの小6の在籍者数は年々増えているんですよね。

 

決して、SAPIXが1番の塾だと言っている訳ではありません。

 

その子に合った塾に行かせてあげるのが大前提であり、他塾の子は、SAPIX生に負けないで頑張って欲しいんです。

 


では、また。

入試本番

あけましておめでとうございます。

 

 

首都圏では、10日(水)の栄東中を皮切りに、埼玉・千葉→東京・神奈川と中学受験が進みます。

 

 

安全圏の偏差値が5程度足らなくても大丈夫。

まだまだ我が子は伸びますよ。特に男の子は。

 

親が不安がって、下手にあれやれこれやれ広げないこと。

 

できないものは仕方ない。できるものは何がなんでも絶対獲る。

 

 

今、親がやること。

いや、12月からやっていないといけないこと。

 

 

それは、受験スケジュールです。

 

各校の出願期間、試験日、当日の集合時間、親の待機場所、合格発表日、入学手続き〆切日などのスケジュール。

 

当日は、余裕を持って、何時発の電車に乗るのか。

 

最悪の降雪を考えて、第一志望の前日のホテルは予約してあるか(キャンセル料金発生と天気予報を見比べっこ)。

 

試験が終わったら、ご苦労様を兼ねて、翌日の試験に備えて何を食べさせてあげるか。

 

 

あとは、写真。

各校でサイズと枚数が違います。

 

 

我が家はさらに、当日、机がガタガタするかもしれないので、机の脚の下に挟む厚紙を何種類か用意して、当日本人に持たせました。

 

歴史のある学校は、机も歴史があるので、意外とガタガタします(事前の入試説明会で座って確認)。

 

 

そして、当日まで毎日親が心がけることは、

 

 

 『我が子の不安を取り除く、勇気づける』

 

 

それだけです。

 

 

当然ですが、「こんな問題もできないの」「勉強しなさい」は、ご法度ですよ。

 

 

では、また。

インフルエンザ

今冬もインフルエンザの流行期に入りました。

 

受験を控える6年生は、これから本番当日まで家族全員「緊張モード」かと思います。

 

 ①インフルエンザワクチン(予防接種)を打つ
 ②規則正しい生活(早寝早起き、十分な睡眠時間)を送る
 ③使い捨てマスクを外出時は必ず使う

 

この3つは、どのご家庭も必須事項ですね。


一方で、我が家がこの3つ以外にやってみたことといえば。

 ④「たべるマスク」を家族全員毎日食べる
 ⑤R1ヨーグルトを家族全員食べる
 ⑥クレベリンゲルを家の中に置く
 ⑦加湿器を寝室に置く
 ⑧ニュージーランド産のマヌカハニー(はちみつ)を食べる
 ⑨使い捨てマスクに、ハーブ系の匂いをつける

 

④は、通販やドラッグストアで、赤い袋を見かけると思います。
ヨーグルト味のお菓子感覚で、免疫力の高い乳酸菌を気軽に摂取できます。

 

⑤は、特に説明は要らないですね。安売りしている時に大量購入です。

 

④と⑤は、腸の免疫力を少しでも高めておきたいという気持ちからで、実際の効果は人それぞれかもしれません。

 

⑥は、少し塩素系の匂いがする冬場の定番品です。

 

⑦は、ハイブリット式がいいですね。自動調節があって、結露しにくいタイプがおすすめです。
結露が嫌であれば、寝る時にマスクをして寝ればいいことです。

 

⑧は、好き嫌いあります。
殺菌効果の高ければ高いタイプを選ぶと、まさに「薬」の味がします。
しかし、喉が痛い時には即効性があります。

 

⑨は、ハーブ系のスプレーで、マスクに匂いをつけて、鼻づまり防止と、気分のリフレッシュです。


現在中1の長男は、上記の9つのことをやったおかげで???風邪もインフルエンザもかからず、無事、受験を終えました。

 


6年生とその家族の皆さん。
風邪は致し方ないとしても、直前期にインフルエンザにかかると、1週間程度遅れをとることになり、勉強の遅れもそうですが、親子ともに、目には見えない精神的な負担が増すので、親として、やれるだけのことはやってあげましょう。

 


では、また。

偏差値

今年、ちょっとした話題の筑駒(筑波大学附属駒場中高)の文化祭に初めて行ってきました。

 

生徒数が少ないこともあって、こじんまりとした感じはありますが、楽しいですね。

 

偏差値トップだけあって、パンフレットは開成よりも分かりやすく、校内の案内も、各所にカラフルな案内板が貼ってあって迷うこともなく。

 

流石です。

 

先日の説明会に行った時は、汚い学校だなぁと直感しましたが、文化祭に合わせてきれいにした?

 

運動部(部活)の催しが無かったので、我が次男は物足りなかったようで。

 

 

 

さて、本題の偏差値です。

 

SAPIXの最新の偏差値(合格率80%判定)が出ています。

 

難関校の1年前の同時期の偏差値と比べてみました。

 

 筑駒 ダウン(70→69)

 開成 変わりなし(66)

 麻布 変わりなし(60)

 駒東 ダウン(61→58)

 武蔵 アップ(56→57)

 聖光① 変わりなし(64→64)

 聖光② 変わりなし(64→64)

 栄光 アップ(60→62)

 早稲田① 変わりなし(57)

 早稲田② 変わりなし(61)

 海城① 変わりなし(56)

 海城② アップ(59→60)

 渋渋① アップ(55→56)

 渋渋② 変わりなし(63)

 渋幕① 変わりなし(62)

 渋幕② 変わりなし(63)

 

こう見ると、筑駒が1つ下がったのは、やはり、例の答申の件が影響しているのでしょうか。

どんなに神童でも、抽選で合格できないかもしれない、晴れて合格して入学しても、高校に無条件で上がれないかもしれない、そんな不安があるのかもしれません。

 

また、駒東の落ち込みは想定外ですね。

コンスタントに大学合格実績を出しているのに、ここ数年なぜか不人気。

 

このまま落ちていくと、数年後の大学合格実績にも影響が出てきます。

 

かつての、巣鴨桐朋などがそうでした。

 

駒東が入りやすくなったという見方もできますが、6年後、偏差値が落ち込んだ時期に入学した生徒達がそれなりの結果を出すには、入学してからメチャクチャ頑張らないといけません。

 

今の偏差値というのは、6年後の「出口」をある程度予想できるのです。

 

でも、偏差値だけで選んではいけないのはもちろんのことです。

 

筑駒に合格できる力のある子が、本人の気に入った隣の駒東を受験するケースだってあるのですから。

 

奇しくも駒場のお隣同士の学校が今回のネタとなりました。

 

では、また。

 

鉄緑会に入ってみて

以前触れた「鉄緑会」

 

長男は退会しました。

 

部活との両立は難しいので。

 

鉄緑会の復習をまともにやってると、学校の復習、考査の勉強時間がなくなるので。

 

想えば、2月3日に合格発表があって、その週末に鉄緑会の説明会。

 

その時点で親は、少なくとも冷静ではないんですよね。

 

代々木校舎での説明会は満席(夫婦で参加しているご家庭も)。

 

説明会終われば、隣の部屋で入会受け付け。

 

皆、隣の部屋に移動するし、指定校枠があるから、帰る訳にいかないよな・・・という心理状態になるんですよね。

 

そして、中学入学前に、お試し講座(春期講習みたいなもの)があって、親子にさらなる興味を持ってもらおうという試みも用意されています。

 

退会した本当のことを言うと、「どんな行事にも優先して(鉄緑会の)授業に出ないといけない」という先生の言葉に違和感を持ったから。

 

中学生の先生は、基本、現役東大生がアルバイトでやっているので、当たりハズレがあります。

 

初めて我が子を鉄緑会に入れてみて、やはり、最初から東大を目指す親子、医学部を目指す親子には合っているのではないでしょうか。

 

一方で、フツーの子、医者を目指している訳でもない子にとっては無理があるかもしれません。

 

中学受験を目指すのと一緒で、本人にその気がなければ、塾業界にお金を寄付するようなものかもしれません。

 

「SAPIX→鉄緑会」という流れがあるのは事実ですが、我が子の意思でその流れに乗る以外、親としては、立ち止まって、冷静に考える必要があると思います。

 

その流れ以外の道で成功した人の方がはるかに多いのですから。

 

では、また。

文化祭

我が子が入学して初めての開成学園の文化祭が無事終わりました。

2日間で3万人以上の来客です。

すごい数ですね。

開成学園以外の私立中高では、多くて1万人の来場者数とも言われています。

 

パンフレットも、例年通り、よくできていたし、会場案内も生徒がしっかりやっていました。

 

何よりも、在校生の挨拶がきちんとできていて安心しました。

 

最寄り駅の西日暮里駅から距離を置いて立っている「文準」(文化祭準備委員会)のカラーシャツを着た在校生が来場者にきちんと挨拶をしてくれる。

 

在校生が挨拶をちゃんとできるかどうかは、我が子を受験させたい学校の文化祭、体育祭、説明会に足を運ぶ時には重視していました。

 

一方で、文準から聞いた残念な話。

 

終了時間(1日目は17時、2日目は16時半)に親子で駆け込んできて、「今からはちょっと・・・」という正門にいる文準の生徒に、「息子が来年受験するの!」と強引に会場に入場した親子がいたらしく(子は親に引っ張られて行った)。

 

また、「対応がなっていない」と、文準に、現地でクレームする親もいたとのこと。

 

13歳の中1から17歳の高2の若者が、3万人強の来場者を、生徒達でさばくのですよ。

こんな数、大人でさえも上手くさばくことができるか疑問です。

 

だから、「もっと大きな心で大人は接してあげたら?」と思います。

 

文化祭2日目の講演会で、ジャパネットたかた創業者の高田明さんが仰ってました。

 

 

    「相手を想うこと」

 

 

LINE、フェイスブックなどのSNSが当たり前になった今、明らかに低下しているのは「共感性」とかいった、相手のことを慮る(おもんぱかる)こと。

これができない大人・子供が増えているという研究結果もあります。

 

大人が、「相手を想って」日々行動していなければ、それを手本とする次の世代の子供達も同じように振舞いますよね。

 

晴れて開成学園に我が子が入学しても、相手のことを想えない、傍若無人な人間になってしまうかもしれませんよ。

 

今回、我が子が受験を考えていた時に行った文化祭と、我が子が入学した後の文化祭では、同じ文化祭でも見る角度、考え方がガラッと変わったので、目に見えない部分がよく見えました。

 

学生の文化祭を、間接的に創り上げるのも壊すのも大人です。

 

「あなたは、いい学校に入って、いい大学に入るのよ」という教育だけでは、これからの時代、我が子が生き延びる保証はないです。

 

非認知的能力(目標に向かってやり抜く力、他の人とうまく関わる力、感情をコントロールする力など)を小さいうちから伸ばすようにしてあげないといけません。

 

それには、まずは「大人」です。

 

少なくとも私はそう思います。

 

では、また。