偏差値
今年、ちょっとした話題の筑駒(筑波大学附属駒場中高)の文化祭に初めて行ってきました。
生徒数が少ないこともあって、こじんまりとした感じはありますが、楽しいですね。
偏差値トップだけあって、パンフレットは開成よりも分かりやすく、校内の案内も、各所にカラフルな案内板が貼ってあって迷うこともなく。
流石です。
先日の説明会に行った時は、汚い学校だなぁと直感しましたが、文化祭に合わせてきれいにした?
運動部(部活)の催しが無かったので、我が次男は物足りなかったようで。
さて、本題の偏差値です。
SAPIXの最新の偏差値(合格率80%判定)が出ています。
難関校の1年前の同時期の偏差値と比べてみました。
筑駒 ダウン(70→69)
開成 変わりなし(66)
麻布 変わりなし(60)
駒東 ダウン(61→58)
武蔵 アップ(56→57)
聖光① 変わりなし(64→64)
聖光② 変わりなし(64→64)
栄光 アップ(60→62)
早稲田① 変わりなし(57)
早稲田② 変わりなし(61)
海城① 変わりなし(56)
海城② アップ(59→60)
渋渋① アップ(55→56)
渋渋② 変わりなし(63)
渋幕① 変わりなし(62)
渋幕② 変わりなし(63)
こう見ると、筑駒が1つ下がったのは、やはり、例の答申の件が影響しているのでしょうか。
どんなに神童でも、抽選で合格できないかもしれない、晴れて合格して入学しても、高校に無条件で上がれないかもしれない、そんな不安があるのかもしれません。
また、駒東の落ち込みは想定外ですね。
コンスタントに大学合格実績を出しているのに、ここ数年なぜか不人気。
このまま落ちていくと、数年後の大学合格実績にも影響が出てきます。
駒東が入りやすくなったという見方もできますが、6年後、偏差値が落ち込んだ時期に入学した生徒達がそれなりの結果を出すには、入学してからメチャクチャ頑張らないといけません。
今の偏差値というのは、6年後の「出口」をある程度予想できるのです。
でも、偏差値だけで選んではいけないのはもちろんのことです。
筑駒に合格できる力のある子が、本人の気に入った隣の駒東を受験するケースだってあるのですから。
奇しくも駒場のお隣同士の学校が今回のネタとなりました。
では、また。
鉄緑会に入ってみて
以前触れた「鉄緑会」
長男は退会しました。
部活との両立は難しいので。
鉄緑会の復習をまともにやってると、学校の復習、考査の勉強時間がなくなるので。
想えば、2月3日に合格発表があって、その週末に鉄緑会の説明会。
その時点で親は、少なくとも冷静ではないんですよね。
代々木校舎での説明会は満席(夫婦で参加しているご家庭も)。
説明会終われば、隣の部屋で入会受け付け。
皆、隣の部屋に移動するし、指定校枠があるから、帰る訳にいかないよな・・・という心理状態になるんですよね。
そして、中学入学前に、お試し講座(春期講習みたいなもの)があって、親子にさらなる興味を持ってもらおうという試みも用意されています。
退会した本当のことを言うと、「どんな行事にも優先して(鉄緑会の)授業に出ないといけない」という先生の言葉に違和感を持ったから。
中学生の先生は、基本、現役東大生がアルバイトでやっているので、当たりハズレがあります。
初めて我が子を鉄緑会に入れてみて、やはり、最初から東大を目指す親子、医学部を目指す親子には合っているのではないでしょうか。
一方で、フツーの子、医者を目指している訳でもない子にとっては無理があるかもしれません。
中学受験を目指すのと一緒で、本人にその気がなければ、塾業界にお金を寄付するようなものかもしれません。
「SAPIX→鉄緑会」という流れがあるのは事実ですが、我が子の意思でその流れに乗る以外、親としては、立ち止まって、冷静に考える必要があると思います。
その流れ以外の道で成功した人の方がはるかに多いのですから。
では、また。
文化祭
我が子が入学して初めての開成学園の文化祭が無事終わりました。
2日間で3万人以上の来客です。
すごい数ですね。
開成学園以外の私立中高では、多くて1万人の来場者数とも言われています。
パンフレットも、例年通り、よくできていたし、会場案内も生徒がしっかりやっていました。
何よりも、在校生の挨拶がきちんとできていて安心しました。
最寄り駅の西日暮里駅から距離を置いて立っている「文準」(文化祭準備委員会)のカラーシャツを着た在校生が来場者にきちんと挨拶をしてくれる。
在校生が挨拶をちゃんとできるかどうかは、我が子を受験させたい学校の文化祭、体育祭、説明会に足を運ぶ時には重視していました。
一方で、文準から聞いた残念な話。
終了時間(1日目は17時、2日目は16時半)に親子で駆け込んできて、「今からはちょっと・・・」という正門にいる文準の生徒に、「息子が来年受験するの!」と強引に会場に入場した親子がいたらしく(子は親に引っ張られて行った)。
また、「対応がなっていない」と、文準に、現地でクレームする親もいたとのこと。
13歳の中1から17歳の高2の若者が、3万人強の来場者を、生徒達でさばくのですよ。
こんな数、大人でさえも上手くさばくことができるか疑問です。
だから、「もっと大きな心で大人は接してあげたら?」と思います。
文化祭2日目の講演会で、ジャパネットたかた創業者の高田明さんが仰ってました。
「相手を想うこと」
LINE、フェイスブックなどのSNSが当たり前になった今、明らかに低下しているのは「共感性」とかいった、相手のことを慮る(おもんぱかる)こと。
これができない大人・子供が増えているという研究結果もあります。
大人が、「相手を想って」日々行動していなければ、それを手本とする次の世代の子供達も同じように振舞いますよね。
晴れて開成学園に我が子が入学しても、相手のことを想えない、傍若無人な人間になってしまうかもしれませんよ。
今回、我が子が受験を考えていた時に行った文化祭と、我が子が入学した後の文化祭では、同じ文化祭でも見る角度、考え方がガラッと変わったので、目に見えない部分がよく見えました。
学生の文化祭を、間接的に創り上げるのも壊すのも大人です。
「あなたは、いい学校に入って、いい大学に入るのよ」という教育だけでは、これからの時代、我が子が生き延びる保証はないです。
非認知的能力(目標に向かってやり抜く力、他の人とうまく関わる力、感情をコントロールする力など)を小さいうちから伸ばすようにしてあげないといけません。
それには、まずは「大人」です。
少なくとも私はそう思います。
では、また。
脱エリート校
「国立大付属校は、抽選導入や学力検査の廃止で、脱エリート校化を。」
「一部の国立大学付属校は、いわゆるエリート校化し、そこに通う子供の資質能力の向上に力を注ぐあまり、教育実習生の受け入れ先としての機能を十分に果たしていない。」
この一部の附属校とは、筑波大学付属駒場高校、東京学芸大学付属高校、筑波大学付属高校、お茶の水女子大学付属高校などを指しています。
国立大の付属校は本来、実験的・先導的な学校教育を行う、教育実習の実施、大学・学部の教員養成に関する研究への協力といった役割を担う目的で設立されています。
「選考にあたっては、例えば、学力テスト等を課さず、抽選と教育実習の実施校かつ研究・実験校であることに賛同する保護者の事前同意の組み合わせのみで選考する。」
「併せて、同一の国立大学の付属学校間で、無試験ないしそれに近い形で進学が可能となる、いわゆる連絡進学あるいは内部進学と呼ばれる仕組みについても、各大学及び付属学校において、多様性及び公平性等の観点からの見直しが検討されるべきである。」といった提言がされました。
衝撃的な内容であり、気になる提言をいくつか列挙します。
1つ目。
まず、「抽選」の導入で、優秀な生徒が入学しすぎない仕組みを作ってくるでしょう。
国立大付属校が本来の役割を果たせない最大の原因は、優秀な生徒が集まりすぎていることらしく。
だから、有識者会議では抽選の導入が勧告されています。
12歳の進路が「抽選」で決まってしまうなんて。。。
2つ目。
また、受験できる生徒をあらかじめ抽選で選ぶ仕組みや、適性検査の点数の高くない生徒をあえて抽選によって入学させるようなウルトラCもあり得ます。
今までのように、優秀な生徒が集まらないような仕組みが検討されるということ。
3つ目。
学力検査は廃止され、小学校の勉強で対応可能な「適性検査」に移行するかもしれません。
公立中高一貫校で行われているよな、知識偏重ではない、思考力や発想力を問うような問題に移行する可能性があります。
4つ目。
面接や学校の調査書を重視し、保護者に対しては、教育実験校であることを理解しているか事前同意を求めることにもなりそうです。
5つ目。
筑波大学付属中→筑波大学付属高、学芸大学付属竹早中→学芸大学付属高といった内部進学が批判され、一般の公立中学校と同じ条件になるべきだとされています。
筑波大学付属駒場中に入学したとしても、今までのように無条件で付属高へ上がることはできなくなり、一般の公立中学校と同様に、全員が高校入試をするようになることが予想されます。
提言では、「2021年度末までに見直せ」ということらしいです。
要は、そもそも「実験学校」なんだから、「東京大学附属中等教育学校を見習え」ということなのでしょう。
今後、東京圏では、開成や渋幕、日比谷といったエリート校?に優秀な中学受験生が流れてくることは想像できます。
たしかに国立大学付属校の本来の設立趣旨は、教員養成や教育の研究だったのかもしれませんが、そもそもこういうエリート校は、今や小中学校の教育研究の役割以上に、日本の国力が停滞する中で、国や社会を引っ張るエリートの輩出こそが期待されているのでは?
学校の役割は時代とともに変化する訳で、お上が、旧態依然とした価値観や役割を教育現場に押しつけるなら、今後の日本の教育はどうなってしまうのですかね?
いやいや、「筑駒消滅説」も出るくらい、「東京都の学校群制度の復活」くらいの衝撃的な提言でありました。
今後、提言どおり多くの国立大付属中高が「右ならえ」となれば、これらの学校の役割は激変するでしょうね。
では、また。
教科書と授業
最近、中学生の歴史教科書が騒がれていますね。
『ともに学ぶ人間の歴史』(学び舎)という歴史教科書です。
学び舎によると、国立私立の計38校が採択しているそうです。
いわゆる難関中学校といわれる灘、筑駒、麻布などでも採択されているこの教科書は、唯一「従軍慰安婦」を採り上げています。
そのため、「反日極左的教育」につながりかねないということで、この教科書の採択を断念するように、圧力があったという騒動です。
灘の和田校長宛に国会議員からの問い合わせ、大量の抗議葉書が届くなど、ありえない抗議行動です。
多様性を否定するような現場への圧力は許されるものではありません。
ましてや、国会議員を使ったり、匿名を使うなんて。
そもそも、今の教科書は、暗記させる従来の教科書とは違い、生徒に「どういうこと?」「どうして?」と考えさせることを目的に編集されています。
また、実は、学校がこの教科書を採択しても、授業でちゃんと使っているとは限りません。
こういう教科書が危ないというのであれば、本当に危ないのは、このような教科書に沿った授業をしている学校ではないでしょうか。
いわゆる難関校といわれる学校は、先生独自のプリントで授業を進めていたりします。
教育に政治が介入することなど絶対にあってはならないと思いますが、実際には、教育委員の選定などに権力が介入する余地は昔から存在するのです。
最近の「政治主導」と呼ばれる言葉には、今回の歴史教科書のような種々の危険を抱えていることも意識しておかなければなりません。
歴史教科書は過去に何度も問題提起がされました
我が子が使う(であろう)教科書について今問題が起こっていることにも、親として、きちんと問題意識を持っていたいものです。
『教科書に書いてあることがすべてではないんだよ。』
では、また。
打ち込めるもの
時間管理
学校の宿題、定期考査の勉強、部活、鉄緑会。
私立中高一貫校に通う子は本当に忙しい。親も大変。
私が中学生の頃は(ド田舎です)、部活メインでしたから。
さて、あと2週間ちょっとで夏休みに入ります。
SAPIXでも各学年夏期講習が始まりますね。
6年生は、夏休みは無いものと思った方がいいです。天王山ですから。
だから、5年生の夏休みの家族旅行はちゃんとやっておく(笑)
6年生は、夏休みの計画を立てないとどうしようもないのですが、5年生も4年生も、ある程度計画立てて、あっという間に夏休みが終わりを迎えるということがないようにしたい。
さらに、6年生以外は、夏休みに、理科、社会に結びつく体験を数多くさせたいですね。
中学入試では、身近なものを考察させる問題が増えているので。
だから、計画倒れにならないためには、もっと言うと、小さい頃から身に付けさせたいのは「時間管理」です。
朝起きて、朝食を食べるまでに、漢字、計算などの「朝勉」を、親の目の届くところでやっているかどうか。
計算問題は時間を計って解いているか。
テレビ、ゲームも時間を本人に決めてさせて、時間が来たらスパッと止めることができるかどうか。
「時間管理」って、本当に大事だと思うのです。
メリハリ、集中力と、時間管理能力との相関関係。
私自身、時間管理がなっていないと思うので、我が子には、なおさらしっかり時間を自分のモノにして欲しい。
大人になってから、「時間にルーズ」で「ダメ人間」のレッテルを、我が子が貼られないようにしたいものです。
では、また。